ナツメ ナガト
NATSUME Nagato
夏目 長門 所属 歯学部 口腔先天異常学研究室 職種 特殊診療科教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2012/04 |
形態種別 | 学術雑誌 |
標題 | 乳臼歯の根尖病巣が原因と考えられる慢性下顎骨骨髄炎(Garre骨髄炎)の一例 |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 日本口腔外科学会雑誌 |
巻・号・頁 | 37(1),44-48頁 |
著者・共著者 | ◎井村英人,南克浩,久保勝俊,古川博雄,前田初彦,夏目長門 |
概要 | 8歳女児。2ヵ月前に左側下顎第二乳臼歯の修復物脱離で前医を受診し、根尖性歯周炎の診断で治療を行ったが、左側頬部・歯肉の腫脹が消失しなかった。X線で左側下顎第一乳臼歯根尖部に透過像を認め、第二乳臼歯根尖部に第二小臼歯の歯冠を含む境界明瞭な嚢胞様透過像と連続し、骨添加様の骨性膨隆もみられた。根尖性歯周炎に起因する増殖性滑膜炎を伴う慢性骨髄炎と診断し、CAM投与を1ヵ月間行い、歯肉の腫脹は消失し外科的治療を施行した。左側下顎乳犬歯、第一・第二乳臼歯の頬側に粘膜滑膜弁を作成し、これら乳歯の抜去後、第二小臼歯歯槽部を穿刺して炎症性滲出液を吸引した。同部の肉芽組織様病巣の掻爬で第一・第二小臼歯の歯冠を直視でき、開窓した。術後3ヵ月で新生骨の増生はなく、犬歯・小臼歯の萠出がみられた。病理所見で、軟組織には高度炎症性細胞浸潤および出血を伴う肉芽組織の増生を、膨隆部には層板構造の骨組織を認め、Garre骨髄炎と診断された。 |