フタヤ トモコ
FUTAYA Tomoko
二谷 智子 所属 経済学部 経済学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2017/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 近代日本における医療費と医療状況の展開-開業医の「薬価計算簿」の分析を中心に- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 愛知学院大学論叢『経済学研究』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 愛知学院大学経済学会 |
巻・号・頁 | 第4巻(第2号),45-65頁 |
概要 | 1890年代中葉から1930年代初頭における日本の医療費と医療状況の変化を、複数の開業医の経営史料から検討した。患者が開業医に支払った薬価(=診療報酬)は、第1次世界大戦期に上昇して1920年代以降は高い水準で推移していた。この背景には医師会の規定医療料金の改定が影響していたが、改定が必要となった要因は、1909年に行われた売薬行政の転換、第1次世界大戦開戦による医薬品の輸入途絶と、同大戦中の一般的な物価騰貴等であった。20世紀転換期から第1次世界大戦までの地方開業医の経営をみると、この時期には①高等医学専門教育を受けた学卒者の医師の開業が増える状況にあり、また②各地方では電気鉄道など近代的交通網が整備されて、患者は自分の病傷に応じて受療する医療機関を選択できる可能性が開かれ、患者の治病行動を変化させえる要因となった。 |