ハッタ ジュンコ
HATTA Junko
八田 純子 所属 心理学部 心理学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2007/04 |
形態種別 | その他論文 |
標題 | 摂食障害の心的特性に関する研究 |
執筆形態 | 単著 |
概要 | 本論文は、摂食障害の全体像を俯瞰する上での新たな視点を提起し、摂食障害の正しい理解を促進することが主な目的である。摂食障害の心理的な特性についての包括的考察を試みるため、先ず現時点での問題を整理し、次に摂食障害をさまざまな側面から検討することによってその全体像を明確にすることを目指した。摂食障害の治療を受けている患者以外にも、摂食障害から回復した人、一般成人の中の摂食障害傾向が高い人、他の精神疾患患者などを対象として、ストレス脆弱性、自尊心特性、完全主義特性、生活満足感、容貌受容度などの特性について検討し、摂食障害患者や摂食障害傾向の高い人々の心理的特性について総合的な考察を試みた。その結果、それぞれの心的特性について特徴が明らかとなった。中でも、完全主義特性について詳細を明らかにしたことは本論文の注目すべき点と考える。本研究では、摂食障害患者は単純に完全主義傾向が強いのではなく、自己評価次元においてその特性が顕著であることが示された。これらの知見より、摂食障害の症状持続における心理学的反応の自己持続的な性質に注目したモデルを作成したが、このモデルの検討が今後の課題である。 |