イシダ トモノブ   ISHIDA Tomonobu
  石田 倫識
   所属   法学部 所属教員
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2011/12
形態種別 大学・研究所等紀要
標題 起訴の基準に関する一試論~黙秘権の実質的保障に向けて~
執筆形態 単著
掲載誌名 法政研究
巻・号・頁 78(3),839-866頁
概要 本稿は、いわゆる精密司法――「被疑者取調べを含む綿密な捜査」とそれに裏付けられた「厳格な起訴」――のもとで、被疑者の黙秘権を実質的に保障することが可能なのかという問題意識のもと、起訴の基準(起訴に必要な嫌疑・証拠の程度)について検討したものである。本稿では、①「厳格な起訴」は、被疑者からの供述採取(被疑者の黙秘権放棄)を前提とする運用方針であり、黙秘権保障(憲法38条)との親和性に欠けること、そして、②そもそも「厳格な起訴」が、必ずしも「犯人のみを起訴する」という精度の高い起訴であるともいえず、「厳格な起訴」の運用方針に固執する必要はないことを論証した。そのうえで、①検察官による起訴・不起訴の処分決定は、本来、刑事手続の過程における事件選別の一過程にすぎないこと、②事件選別の時期と主体は、多元的・複眼的な視角から多様な主体により、異なる時期に、重層的に行うべきであること(責任と権限の分散)、そして、③事件選別の主戦場は、被処分者である被告人が実質的に手続に参加・関与しうる公判手続で行われるべきこと(公判中心主義)等を主張した。